近年，ロボット用ミドルウェアとして，RTミドルウェアやROS (Robot Operating System) などのオープンなプラットフォームが注目されています．多くの開発者が，ロボットミドルウェアを使ってシステムを構築することで，いち早くアイディアを形にすることに成功しています．
ロボット用ミドルウェアのメリット
ロボット用ミドルウェアは，様々な立場のエンジニアに様々なメリットがあります．
汎用ロボット製品を開発し，販売する場合，ロボット用ミドルウェアに対応することによって，ユーザ側のソフトウェア開発が柔軟になります．ほとんどのロボット用ミドルウェアは，Linuxだけでなく，WindowsやOSXをサポートし，C++のみでなくPythonやJavaなどの言語にも対応しています．またネットワーク分散なシステム構築が可能になるため，開発者側は単一のプラットフォームで提供するのみで，ユーザには使い慣れた言語・環境での開発を可能とします．
また，多くのロボットミドルウェアはオープンソースであるため，不具合を見つけた場合もユーザが主体的に修正を行ったり，開発コミュニティに連絡して修正を促したりすることができます．もちろん，試しに使って見るだけなら無料で，すぐにできます．
ロボットを使う側としては，多くの環境を許すだけでなく，すでに開発されたオープンソースなソフトウェアやデバイスをシステムに取り込み，プロトタイピングを加速させることができます．ロボットにまつわるデバイスの多くがオープンソースなライブラリとしてインターネット上に置かれており，アームの制御や移動ロボットの自己位置推定などのオーソドックスな問題に答えるための基本的なツールやライブラリが無料で手に入ります．
もちろん，ユーザ独自の問題に答えるためには，ツールやライブラリの理論であったり，アーキテクチャに精通している必要があり，また独自のモジュールを開発する必要がありますが，これについてもすでにあるプラットフォームを改良していく形で開発することで，スピーディに結果を検証することができるようになっています．
SUGAR SWEET ROBOTICSはロボット用ミドルウェアを使った柔軟なロボットシステム開発をサポートいたします．
ロボット用ミドルウェアとは
すでに多くのロボットやロボットに応用可能な工業製品が市場に生まれており，また画像処理やナビゲーションなどの一般的な問題に対処するための技術が提案されています．
現代のロボット開発では，このようなモジュールを適切に選択し，組み合わせて開発することが可能な時代となりました．
選択し，組み合わせるのはロボットのハードウェアだけの話ではありません．選択したハードウェアを駆動するためのソフトウェアや，ナビゲーションや画像処理などの知能モジュールなどのソフトウェアモジュールも，選択し，組み合わせることが可能な時代となって来ています．
SSRの提供するロボット用ミドルウェア技術
RTミドルウェア
新エネルギー産業技術開発機構 (NEDO) や，産業技術総合研究所が仕様策定を行っているRTミドルウェアでの開発サポートが可能です．SSRは継続的にRTミドルウェアプロジェクトのサポートを行っています．RTミドルウェアでは，ソフトウェアモジュールを「RTコンポーネント」と呼び，この組み合わせでロボットを構築していきます．当社取締役はこの技術を使った開発に10年近く関わっており，多くの知見や開発リソースを保有しております．
ROS (Robot Operating System)
米OSRF (Open Source Robotics Foundation) が管理するロボット用ミドルウェア “ROS” を使った開発サポートが可能です．
ROS-SysML連携
Change Visionが販売するSysMLツール “astah SysML”のためのプラグインを開発しました．astahでモデリングしたシステムの設計図を元に，ROSで開発するためのスケルトンプロジェクトやコードを自動生成することが可能です．